白内障の種類

白内障の種類は大きくふたつに分類される

白内障は主に2種類に大別されます。そのひとつは先天性白内障で、生まれつき発症している白内障です。一方で、加齢や外傷、持病など、なんらかの原因から発症する場合は、後天性白内障と呼ばれます。

先天性白内障

先天性白内障とは、生まれたときから発症している白内障を言います。発症の要因には、遺伝的な問題や母胎内での感染などが挙げられます。 先天性白内障の場合は、外からの光が網膜まで届きにくくなることから、視力の発達が遅れる可能性があります。そのため、視力が発達しやすい状態になるよう、できる限り早めの手術が求められます。また、母体感染の場合は家族の検査も必要となります。

後天性白内障

後天性白内障は、加齢や外傷などの影響から発症する白内障です。主な原因は加齢ですが、ステロイド剤の副作用や持病などが発症の引き金になることもあります。 先天性白内障と同じく早めの対応が望ましいです。しかし、水晶体の濁り具合や持病の影響なども考慮されるため、治療方法は状況に応じて異なります。後天性白内障も手術によって治すことができる病気です。

発症原因から白内障を分類する

発症の原因から分類される白内障の種類を解説します。

老人性(加齢)白内障

老人性(加齢性)白内障は、加齢によって引き起こされる白内障です。白内障を発症する原因の90%は加齢とされており、早い方の場合では40代で白内障の自覚症状が認められます。

若年性白内障

白内障は中高年層に多く見られる病気ですが、20〜30代で発症することもあります。比較的若い人が発症する若年性白内障の原因には、以下が考えられています。

実際のところでは、若い人が白内障を発症する明確な原因は明らかになっていません。しかし、紫外線やストレス、もともと潜在的に白内障を持っていたことなどが関係するといわれています。

併発白内障

ストレスや加齢だけではなく、持病が原因で発症する白内障は、併発白内障と呼ばれます。主にぶどう膜炎や網膜剥離といった、ほかの目の病気によって引き起こされるものです。 どれも白内障と同じく眼科の検診が必要な病気です。定期的に検診を受けてください。

アトピー性白内障

アトピー性白内障は、病名の通りにアトピー性皮膚炎に起因して発症する白内障で、若い人の場合でも発症率が高くなっています。発症の原因にはアトピー性皮膚炎の痒みの影響が懸念されており、目を掻いたり、叩いたりした際の刺激も関係しているといわれています。 また、免疫の異常による働きからも、アトピー性白内障を発症することがあります。

糖尿病性白内障

糖尿病の合併症として、白内障が引き起こされることもあります。これは糖尿病性白内障と呼ばれ、アトピー性白内障と同様に、若年層でも発症率が高くなっています。糖尿病を患い血糖値のコントロールが不安定になることで、糖の一種であるソルビトールが水晶体の中に溜まります。このソルビトールが蓄積されることが原因で、白内障が引き起こされるのです。

外傷性白内障

目に物が当たったり、怪我をしたりなどの衝撃や外傷が、外傷性白内障の原因となります。目の傷次第では白内障の進行が早く、ほかの白内障と比較して急速に深刻な状態に陥ることがあります。 外傷性白内障の場合は早急な手術が求められますが、中には目が傷ついて数年後に発症するケースもあります。

薬剤が原因の白内障

怪我や病気などによる発症以外に、処方された薬によって白内障が引き起こされる場合もあります。特にアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の治療に用いられるステロイド剤は、長期にわたって大量に使用すると白内障を発症するリスクが高まる傾向があるといわれています。

濁りの状態から白内障は3つに分類される

水晶体の濁りの状態から分類される白内障の種類を解説します。

皮質白内障

皮質白内障は、水晶体周辺の皮質が濁る白内障です。多くの場合、老人性(加齢性)白内障で見られる症状であり、水晶体の中心部分まで濁るまでに時間がかかるため、自覚症状はすぐにあらわれません。 以下の項目にあてはまる場合は、皮質白内障を発症している可能性があります。

核白内障

水晶体の核まで濁った場合を、核白内障と呼びます。水晶体の中心部分まで濁りはじめると、見え方にも顕著な変化が見られ始めます。特にどのメガネをかけても合わないといった場合には、核白内障の可能性が疑われます。 主な症状の特徴には、以下の項目が挙げられます。

後嚢下白内障

後嚢下白内障の場合では、水晶体の後ろに位置する後嚢(こうのう)が濁ります。主にアトピー性白内障や糖尿病性白内障、ステロイド剤の副作用による白内障で目立つ症状です。 後嚢下白内障にも、他の2種類同様に特徴的な症状が見られます。

中高年層だけではなく、若年層でも発症しやすい種類の白内障です。

白内障の種類を進行期から分類すると

白内障は、進行期から4つの種類・段階に分類できます。

初期白内障

初期白内障は、水晶体の皮質が濁りはじめた最初の状態を指します。自覚症状はほぼ無く、日常生活に支障をきたすこともありません。よって、この状態で白内障の発症を見極めることは難しいです。

水晶体が濁りはじめる年齢は、一般的に40〜50歳を迎えたあたりとされています。しかし、持病や外傷を原因として、若いうちに濁りはじめることもあります。

中期白内障

中期白内障は、皮質から水晶体の核へと濁りはじめていく段階であり、少しずつ自覚症状が現れるようになります。視界がかすんだり、日中や明るい室内でやけにまぶしく感じたりする場合には、濁りが核まで到達しかけている可能性があります。

 

この段階で白内障に気づけた場合には、スムーズな治療が行えます。日常生活に支障が現れている場合には、手術をすすめられることもあります。

成熟白内障

濁りが核へ到達し、水晶体全体が白く濁り始めてきた状態は、成熟白内障と呼ばれます。成熟白内障では、視界がかすんだり、日中や明るい室内でやけにまぶしく感じたりと、見え方に異常が見られるほか、視力低下の発生も懸念されます。

 

日常生活にも支障が現れてくるようになり、なるべく早期での手術が求められます。

過熟白内障

過熟白内障は、白内障における最後の段階です。水晶体全体が白く濁るだけではなく、水晶体自体が硬くなり始めます。この段階まで進むと、濁りの色は白から茶色に変化し、失明リスクも高くなります。また、手術をしたとしても、視力が元の状態に戻らない可能性もあります。

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