白内障手術の不安と術後の不満

白内障手術を受けることになった方は、
怖いな、不安だな、
このような感情をきっとお持ちのことだと思いますがそれは当然です。
初めての目の手術、さらに手術自体が初めての方ともなると、
そのように感じるのは当然のことです。

手術日が近づくにつれて緊張や不安で押し潰されそうな日々が続く、
そのようなことにならないように、
手術を前にした心の準備について、
お話ししてみたいと思います。

白内障手術の「怖さ」は皆さんの心の中にあるもの

「白内障の手術って怖くないですか?」このような質問に対して医師からの回答で皆さんが期待するのは、「怖くないですよ」という答えではないでしょうか。残念ながら、この質問の答えは手術を担当する医師がもっているものではなく、手術を受けられる皆さんの心の中にあるかもしれません。

いったい怖さ、不安の正体ってなんでしょうか?

ほかにも皆さんの頭に浮かぶ疑問や不安はたくさんあると思いますが、すべてに共通しているのが、皆さんの頭の中で想像している現実とは異なる、未来に起こってしまうかもしれないネガティブな発想から生まれているということです。

手術前のネガティブな感情を払しょくするため

「点眼麻酔を行うので、麻酔の際も、手術中も痛みはありません」
「手術当日を迎える医師は体調管理に努め、手術前にはしっかりと睡眠をとって万全の体制でのぞみます」
「合併症についてのお話はしますが、ほとんど起こることはありません」

皆さんが抱えている具体的な不安の内容さえ分かれば、経験豊富な医師であれば全ての答えは持っています。ご自身の目の手術をやってもらおうと皆さんが信頼した医師の話を信じることが良いでしょう。医師の話を信じられたなら、不安や怖さはほぼ自然に無くなっていくでしょう。起こる可能性の少ない、合併症のことを必要以上に考えても杞憂にすぎません。皆さんが不安に感じているような、ネガティブな考えは起こる事が少ないでしょう。

術後の新生活への期待で不安や怖さを乗り越える

手術をして、しっかりと見えるようになった皆さんは何をされていますか?お孫さんと一緒に、芝生の上でお弁当を食べ、気持ちいい青空を眺めているでしょうか?読みたくて買った本を読んでいますか?「ナイスショット」と言われたのに、追えていなかったゴルフボールの行き先が見えて、爽快な気分を感じているのではないでしょうか?数年前に買ったテレビがあまりに綺麗で驚いていますか?

白内障の手術を受けた後には、とても大きな感動が待っています。ネガティブになりがちな思考はおさえて、新しい生活、楽しい日々を想像することで、不安や怖さを期待が乗り越えてくれるはずです。

白内障手術後に聞かれる不満の声

視界がすごく明るくなり光の刺激で目が痛い

白内障の濁りを取ったことで目の中に入る光を直接感じやすくなったためですが、徐々に慣れてくることが多いです。

視界の端を小さいものが飛んでいる。とくに白い壁や空を見ると目立つ

これは飛蚊症といいます。目の中にあるゼリー(硝子体)の濁りにより、以前からあったものが白内障の濁りを取り除いたことで自覚症状が出現します。

視野の端の方で時々半弧状の光が見えることがある

手術では直径6mm程度の小さな眼内レンズを挿入しますので、その端っこで光が乱反射してしまうことが原因で起こる症状と考えられます。発生頻度としてはかなり低いものですが、手術直後に訴えがあった方でも時間経過とともに改善することが多いものです。

遠くは見えるが、近くは手術前より見えにくくなった

もともと手元にピントが合っていた近視の方が、手術後は眼鏡なしで遠くを見たいという希望のもと、単焦点レンズを使用した場合に自覚される場合に多いです。また、比較的年齢が若い方の場合に、このような感想を持たれることもあります。手術前の説明をもう一度思い出していただき、担当医とお話されるのが良いですが、基本的には単焦点レンズを用いて遠くにピントあわせをした場合には、老眼鏡を使用する必要があると考えてください。

両目の白内障手術を受けたけど、左右で見え方が違う気がする

ほとんどの場合、術後に残っている乱視によることが多く、眼鏡での乱視矯正をされれば改善されるでしょう。 しかしながら、ごく少数ではありますが、眼内レンズの度数と目があっていないということが起こりえます。眼内レンズはそれぞれの目に合った度数のものが選択されなければなりません。度数選択を間違ってしまうと、左右で見え方に差が出てしまいます。差が大きい場合はレンズ交換手術の選択を考慮する必要がありますが、まずは右目と左目の見え方を比べることをやめてみる、眼鏡を装用してみるなどの対策があります。それでも違和感があるようならば、担当医に相談してみるとよいでしょう。

手術後から目が乾くようになった

もともと少し目が乾いている方が手術を受けると、ドライアイによる症状が一時的に悪化する場合があります。手術自体や手術後の点眼等による刺激によりますので、担当医と相談しドライアイ治療をすれば2~3ヶ月で症状は落ち着くことが多いです。

手術後は良く見えていたけどだんだん見えにくくなってきた気がする

さまざまなことが考えられますが、よく聞かれる意見として、目の中に入れるレンズはいつまでもつの?というものがあります。これはいつまでももつと考えて頂いて問題ないと思われます。

痛みはなかったけど消毒液がすごくしみた

手術は点眼や注射などの麻酔を経て行われますが、しみることやさわられることは残念ながら感じてしまいます。 また、多焦点レンズに多い不満として、「多焦点レンズを入れたのに近くが見えにくい」「夜の信号や対向車のヘッドライトがにじんだように見える」といった声が聞かれます。

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