オルソケラトロジー・・
寝ている時間を利用して近視を矯正します
オルソケラトロジーとは何でしょう?
近視または軽度の乱視の角膜形状に合わせて作成した特殊な高酸素透過性ハードコンタクトレンズを就寝時に装用し、起床時にそのレンズをはずすことにより角膜カーブを変えて、視野で良好な視力が得られるという視力矯正法のひとつです。 1962年、米国でこの治療法が考案されて以来、素材の開発などさまざまな改良を経て、1990年代に実用化されました。日本でも、臨床試験を実施し、屈折矯正の有効性と安全性が評価され2009年4月に「角膜矯正用コンタクトレンズ」として承認されました。
レンズの装着を毎日続けることで少しずつ角膜矯正(表層に凸凹を付ける)保持の時間が延び、開始から約1ヶ月ほどで起きている間は良好な視力が保たれるようになります。 手術とは異なり、装着を中止すれば角膜の形状は元に戻るため、裸眼視力を維持するためには毎日および2日毎に就寝時、レンズの装着が必要です(周期は個人差があります)。
オルソケラトロジーの特徴
専門医の処方に従い、就寝時に正しく装用していれば、日中はメガネやコンタクトレンズを使うことなく裸眼で過ごすことが出来るので、特にサッカーや野球、水泳などのスポーツをする方には最適です。 視力回復までの期間は個人差があり、通常は数日から数週間で視力改善が自覚できます。その後、毎日就寝時にレンズを装用しなくても、1週間に2~3日の装用だけで良い場合もあります。 めがねや普通のコンタクトレンズに比べ、近視の進行を抑える効果なども報告されています。
普通のコンタクトレンズとの違い
素材は通常の酸素透過性ハードレンズと同様ですが、レンズの内面に特殊デザイン加工が施されており、角膜の形を平坦に矯正し、癖付ける働きがあります。 このため、レンズをはずしても一定期間は視力が回復した状態が続きます。
軽めの近視・乱視矯正に適しています
近視は中等度以内(-4.00D以内)、乱視は軽度(-1.50Dまで)のものに効果があります。強い近視や乱視の方には効果が出にくく、時間もかなりかかるため、当院ではおすすめしていません。
保険の適応
めがね・コンタクトレンズ・近視矯正手術など矯正法と同じように保険は適用されません。 但し、オルソケラトロジーは医療費控除の対象にはなりますので10万円を越した費用は補助が得られます。詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
こんな方にお勧めの治療法です
- メガネやコンタクトレンズが煩わしい方へ
- 裸眼でスポーツを楽しみたい方へ
- 外科的手術のレーシック等をすることに抵抗がある方へ
装用までの流れ
同意説明 / 同意
- 「オルソーK」装用によるリスク
- 遵守すべき事項
- 「オルソーK」使用方法
- 装用に適さない例
- 効果の現れ方には個人差がある…
問 診
- 眼鏡やコンタクトレンズの装用経験
- 眼疾患や既往症の有無
- 職業、装用環境…
適応検査
治療の可否を判定
- 屈折検査
- 角膜曲率半径測定
- 視力検査
- 角膜形状解析
- 細隙灯顕微鏡検査
- 眼底検査
- 眼圧検査
テストレンズの装用
-
角膜上でのレンズの働きと位置確認
(カスタムレンズオーダー:レンズ到着まで数日を要します) - レンズの到着日以降に再来院
治療用レンズの決定
- 治療用レンズの装用
- レンズの使用方法、取扱い説明
- 定期検査のスケジュール
定期検診
- 装用翌日
- 1週間後
- 2週間後
- 1ヶ月後
- 3ヶ月後
- その後3ヶ月毎
オルソケラトロジー費用
オルソケラトロジー治療は、自費診療(健康保険適用外)となります。
オルソケラトロジー治療
- 両眼 122,200円(消費税含む)
-
片眼 61,100円(消費税含む)
2019.10.1現在
上記には、レンズ代金、適応検査費用・初期ケア用品費用、3ヶ月後間の定期検診費用が含まれます。(レンズお渡し時にお支払いいただきます。)
お試し期間内(1ヶ月以内)でオルソケラトロジーを中止される場合、適応検査費用としての10,200円を除きご返金いたします。
(お試し期間で中止される場合は、両眼112,000円 片眼50,900円をご返金します)
※ お試し期間中にレンズを破損・紛失してしまった場合、適応検査費用の他にレンズ代金として、1枚につき33,000円を頂戴いたします。ご了承ください。
定期検診
- 処方翌日
- 1週間後
- 1ヶ月
- 3ヶ月
- 以後3ヶ月ごとに定期検診
※ レンズ処方後3ヶ月を過ぎた場合検診時に検査代として毎回3千円(税込)かかります。
※ 1回目の処方レンズで目標とする視力に達することがほとんどですが、場合によって処方交換する場合もございます。治療開始から45日以内の処方交換には費用がかかりません。
副作用・注意点
- ハードレンズの出し入れが難しいことで、誤って角膜を傷つけると痛みを伴うことがあります。
- 睡眠時間(装用時間)が短いと効果が不十分なことがあります。
- 比較的新しい方法なので、長期的な安全性や効果などがまだわかっていないこともあります。
これらの事をよく理解したうえで利用する必要があります。
斜視・弱視
斜視
物を見ようとする時に、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまっている状態が斜視です。片目が正常な位置にあるときに、もう片目が内側に向いてしまっている状態を内斜視、外側に向いてしまっている状態を外斜視、上側に向いてしまっている状態を上斜視、下側に向いてしまっている状態を下斜視といいます。
斜視の原因
斜視の原因としては、目を動かす筋肉や神経の異常によるもの・遠視によるもの・目の病気によるもの・脳の病気によるもの・全身の病気に伴うものなどがありますが、ほとんどは目を動かす筋肉や神経の異常によるものです。
斜視の治療
斜視の治療は大きく分けると、手術による方法と手術以外の方法とがあります。 どの方法が良いかは、斜視のタイプ・性質・年齢・全身状態などにより異なります。 眼位ズレや外眼筋の働き、屈折検査、両眼視機能などを詳しく、きちんと調べた上でどの方法が適切であるかを判断します。 手術以外による方法はコンタクトレンズや眼鏡を装用する方法、プリズム処方、両眼視機能訓練などがあります。 手術を必要とする場合、斜視の種類によって、何歳のときにどのような手術を行うかなどが異なります。
弱視
弱視とは、眼病もないのに眼鏡をかけても視力が上がらない状態のことをいいます。 弱視になる原因のひとつに斜視があります。また片眼または両眼の強い屈折異常も弱視の原因になります。
弱視の治療
弱視の治療には、眼鏡の装用や視力の良いほうの目を隠して悪いほうの目でしっかり見る遮閉訓練などがあります。